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2023.9.27

無期雇用派遣とは?働くメリットデメリット&無期雇用になる方法

派遣社員は数年おきに職場を転々とし、雇用が安定しないというイメージが強いですが、派遣元で定年まで無期雇用される「無期雇用派遣」もあるということはご存知でしょうか。本記事では、この無期雇用派遣とは何か、その働き方のメリット・デメリットも含めてわかりやすく解説します。

無期雇用派遣とは?有期雇用派遣との違い

無期雇用派遣とは、「期間の定めのない労働契約を派遣会社と締結している派遣スタッフ」を指します。他方で、一定期間だけ派遣会社と契約しているスタッフが有期雇用派遣です。一般に「派遣社員」というと、多くの方は後者の有期雇用派遣を連想しますが、実はこのように2種類の雇用形態が存在します。
無期雇用派遣と有期雇用派遣の違いは、主に働き方、派遣期間、給与支給の仕組みの3つが挙げられます。それぞれの詳細は以下の通りです。

働き方の違い
「登録型派遣」としても知られる有期雇用派遣は、特定の期間限定で働く形です。一般的には、派遣先の会社との契約期間が終了すれば、派遣会社との労働契約も終了します。
対照的に、無期雇用派遣ならば派遣先との契約期間が切れた後も、派遣会社との契約は維持されます。このように、両者では労働契約のあり方自体が大きく異なるのが特徴です。
派遣期間の違い
有期雇用派遣は一般に「3年ルール」といわれる法規制により、同じ派遣先で3年以上就労することが原則として禁止されています。一方、無期雇用派遣にはこの制約がないので、同じ派遣先で長期間にわたって働くことが可能です。
給与支給の仕組みの違い
無期雇用派遣では、派遣先との契約が終了した後でも派遣会社との雇用関係は維持されているので、派遣先が決まっていない期間でも給与が保障されます。さらに所属する派遣会社や業種によっては、ボーナスが支給される可能性もあります。これに対し、有期雇用派遣では派遣期間中にしか給与を受け取れません。

無期雇用派遣と正社員の違いは「雇用主」と「労働条件」

雇用期間の定めがなく、安定した働き方が見込めるという点では、無期雇用派遣スタッフには正社員と似通った面があるのも確かです。しかし、両者は特に雇用主と労働条件という点に大きな違いがあります。以下ではこの2つの点から、両者の違いについて解説します。

雇用主の違い
正社員の雇用主は、その人が働いている企業自体です。一方、無期雇用派遣の雇用主は、実際に働いている企業(派遣されている企業)ではなく、派遣元の企業です。
労働条件の違い
雇用主が異なることは、労働条件の違いにも直結します。正社員は雇用主である企業(働いている企業)の労働条件(給与や勤務時間、休日や福利厚生など)に従います。他方で、無期雇用派遣に適用される労働条件は、派遣会社の定めたものです。条件次第では、派遣社員でも正社員とさほど変わりのない待遇を受けることも可能です。基本的には正社員よりも派遣社員の方が就職の難易度が低い傾向があるので、待遇差があまりない場合は、正社員よりも無期雇用派遣としての就職を優先するのも検討の価値があります。

無期雇用派遣を選ぶ3つのメリット

無期雇用派遣という働き方には、主に以下のメリットが挙げられます。

・収入の途切れがない、安定した働き方ができる
・研修やキャリアコンサルティングでスキルアップが目指せる
・次の仕事を探す負担がない

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

収入の途切れない、安定した働き方ができる
第一のメリットは、雇用や収入の安定性です。有期雇用派遣とは異なり、雇用契約が短期間で切れることがないため、長期的に安定した収入を得ることが可能です。また、同じ職場(派遣先)で長く勤務できるので、職場の人間関係や業務知識などを一定期間でリセットされることなく、腰を落ち着けて働けます。
研修やキャリアコンサルティングでスキルアップが目指せる
多くの派遣会社は、派遣スタッフをサポートするための研修プログラムやキャリアコンサルティングを提供しています。特に無期雇用派遣スタッフに対しては、長期的な視点での成長を期待してより教育に力を入れる傾向があります。これにより、派遣という働き方ながらも、継続的なスキルアップとキャリアアップを目指せます。
次の仕事を探す負担がない
有期雇用派遣では契約期間に限りがあるため、一定期間ごとに次の仕事を探す必要が生じます。しかし、無期雇用派遣だと、同じ派遣先で長期間働くことが可能な上、派遣先が変わる場合でも派遣会社が次の職場を案内してくれるまでの間も含め、給与がもらえます。そのため、無期雇用派遣は新しい仕事を探すストレスや経済的負担がありません。

後悔する?無期雇用派遣のデメリット

無期雇用派遣という働き方には上記のようなメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。

・仕事(派遣先)が選べない
派遣会社との契約上、無期雇用派遣では原則的に指定された派遣先に配属されます。そのため、自分が希望する業種や職種に就けない場合もあるかもしれません。

・必ずしも3年以上同じ職場で働き続けられるわけではない
無期雇用派遣といえども、諸事情で3年を絶たずに派遣先が変わることもありえることも注意すべき点です。正社員と比べると、よりフレキシブルな対応が求められることを前提に考えておきましょう。

上記の点を踏まえて、無期雇用派遣を選ぶ際に後悔を避けるためには、自分のキャリアや生活スタイルに合わせた働き方を明確にすることが大切です。具体的には、その派遣会社がどのような業界や職種への派遣を得意としているのか、昇給や賞与、福利厚生など労働条件が希望に合致するかなど、契約に関する詳細をしっかりと確認し、自身の希望や条件と合致するかを慎重に判断することが重要です。

無期雇用派遣になるには?選べる2つの道

無期雇用派遣として働きたい場合、以下の2つの方法が選択できます。それぞれの方法を解説します。

・有期労働契約から無期契約へ転換する
・無期雇用派遣スタッフとしての採用を狙う

有期労働契約から無期契約へ転換する
まずは、いわゆる「無期転換ルール」に基づく方法です。これは、一定期間、有期雇用派遣として働いた後、特定の条件を満たすことで、無期契約への転換を派遣会社に申し込めるというものです。
この申し込み権が発生する主な条件は、同じ派遣会社で有期雇用派遣として5年以上働き続ける(有期労働契約を更新し続ける)ことです。ただしこの方法の場合、申し込み権が発生する前に雇い止めされてしまうケースもあるため、必ずしも無期雇用派遣に転換できるとは限りません。
無期雇用派遣スタッフとしての採用を狙う
他方の方法は、派遣会社が無期雇用を前提として募集している派遣スタッフの求人に応募することです。件数は多くありませんが、無期雇用派遣スタッフとしての求人募集もしています。

まとめ

無期雇用派遣は、長期的な安定性を求める労働者にとって魅力的な選択肢です。無期雇用派遣のメリット・デメリットの双方をよく考えた上で、今後のキャリアを検討してみてください。

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